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迎賓館と庭園美術館

とある秋晴れ(……気温的には晩夏、というべき?)のある日、赤坂離宮(迎賓館)の見学と、庭園美術館(旧朝香宮邸)の建物公開に行ってきました。

迎賓館はかつては見学に予約必須だったそうなのですが、去年だか一昨年だかあたりから、国賓をお迎えする行事がないときは、予約なしでも見学することができます。春ころに修繕が終わったお部屋が公開されるというので、お誘い頂いて行ってきたのです。

赤坂離宮は国宝に指定されている、小ぶりな宮殿です。私の母が、友人と見学に行ったことがあり、話しには何度か聞いていたのですが、とても素敵な建物でした。
小ぶり、とはいえ私の目には大変立派で巨大なお屋敷と見えますが、言われてみれば確かに、ヨーロッパに旅行した際にあちこち見に行った宮殿に比べると、サイズは小さく、お部屋も少なく、ちんまりとしています。
しかし、西洋の宮殿の様式、ということで、晩餐会を行う部屋や舞踏会のための大広間など、ひと通りの『宮殿という形式に必要な部屋』は揃っているそうです。(厨房などもあるようですが……晩餐に提供されるお食事などは、周辺の有名ホテルからのケータリングであるらしい、という話もちょろりと聞きました)

そして、その内装の絢爛さは言葉を失うほど。あまりにも繊細優美な、絵画と見紛う七宝や、ひとつが1トンを超える重さのシャンデリア。何百人もの職人さんが関わっているという絨毯や、華麗な天井画、柱や縁取りの装飾。きらびやかでまばゆく、そして西洋の様式ながらやはり和的で、見飽きるということがありません。

……ちなみに、舞踏会などを開催するための広間では、歓迎式典や謁見が行われるそうで、舞踏会が開催されたことはないそう。それは、皇室の方が舞踏会を主催することはないから、というのが理由なのですって。なお、二階席に当たるオーケストラボックスは、宮中の方を見下ろす形になってしまうため、本来の用途で使われたことはないそうです。

そうそう、この宮殿で開催される晩餐会は基本的に、「訪れる諸外国の方が、返礼として開催する晩餐会」なのですって! 皇室の方が諸外国をおもてなしされるときは『宮中』で晩餐会が行われるので、返礼用にお貸しするのだ、とガイドの方が仰っていました。
……なるほど、そういう使われ方もしているのねぇ。

内装は写真撮影不可なのですが、大変良くできた素敵なパンフレットを無料でいただけますよ。

お天気のいい日は、宮殿外で、ちょっとしたランチを楽しむ事もできます。美味しいケータリングのワゴンカーが来ていて、その場で購入し、食べることができるんです!
先着数名までのアフターヌーンティーセットは売り切れでしたが……、それ以外のメニューもなかなかの満足感でした。美しい宮殿を見ながらのランチ、おすすめですよ。

キッチンカーのランチが結構美味しいのです

さて、その後は目黒まで移動して、旧朝香宮邸である、庭園美術館へ。
一年に一回ほど、建物そのものを展示品として、公開している時期があるのです。この展示のときはなんと、撮影もOK(フラッシュは不可)。

こちらは宮殿ではなく、宮家の方の暮らされたお屋敷ですが、上品でモダンな、見事なアールデコの建物です。アールデコ好きの方にはとてもおすすめ。

しかし、時代的にこのお屋敷、凄まじい驚きを持って、周囲に与えたんじゃないかなぁ……。あまりにもおしゃれだし、随分と時が流れた現代であっても、古臭い、という印象が全くないのですもの。
当時としてはおそらく欧州での流行の最先端だったんじゃないかと思われる「アールデコ」を基本に、床のタイルや扉の金具に至るまで、建物の細部まで「こうしたいのだ!」という美意識が貫いていて、とても魅力的。設計に携わった人たちと、内装にこだわり抜いたという朝香宮妃さまの想いが、隅々にまで行き届いています。

本当に美しいお屋敷で、首都高もほど近い都会にありながら、広い敷地の中は静かで、ゆったりとした空気が流れているので、庭園美術館、おすすめですよ。

いかれたことのない、アールデコのお好きな方は、ぜひぜひ。

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