
『ロココなティーセット』と言われたら、どんなお茶セットを想像しますか?
昨今、令嬢モノや悪役令嬢モノが大人気ですので、ここをご覧の皆様も、そんなイメージのお茶セットを漫画などで見かけることも多いのではないでしょうか。
いわゆる『ご令嬢モノ』の舞台イメージは大抵、19世紀のイギリス・フランスか、フランス革命以前の18世紀フランスなんじゃないかしらと思うのですが(古典風ドレスのキャラクターは、18世紀風のドレスのお嬢さんが多いですよね)、今回見てきた展覧会はこの『フランス革命以前のフランス』のイメージ通りのお茶セットで、まさにマリー=アントワネットの時代を象徴する名窯である『セーヴル』の展示です。(なお、セーヴル窯は『セーヴル陶芸都市』という国立の法人として今もあります)
サブタイトルは『マダム・ポンパドゥール、マリー=アントワネット、マリー=ルイーズが愛した名窯』。
……まさにこの時代を象徴する、錚々たる女性陣のお名前が並んでいます。
展示では、セーヴルの歴史とフランス国王の歴史を学べて、マリー=アントワネットによって発注されたとされる磁器などの現物も見ることができました。
これがね……、めちゃくちゃ華やかで、可愛くって、お洒落なの。とんでもない高価な品だと分かりつつ、思わず欲しくなるような、可憐なデザインなの。
当時、これが国の重要な工芸品として門外不出の品で、王族にしか許されないデザインがあったり、重要な外交相手への贈り物とされたりしたという理由が、肌で感じられます。今の私達はちょっと頑張れば手に入れられるかもしれないけれど、当時はきっと、宝石のような値段がしたはず。貰った貴人要人の皆さん、目が輝いたんじゃないかしら。
……でもその一方で、冷夏や長雨による不作が続き、誰もが食い詰めていたような時代に、この華やかな食器で美食を食べていたとしたら、それはまあ、反発もされような、革命も起こるかもな、というのも分かるようにも思いました。


それくらいもう、工芸品というか芸術品というか、ジュエリーのような華やかさでした。革命前の時代の装飾は本当に贅を尽くしたきらびやかさで、観賞していてもため息しかでません。
たとえばマリー=アントワネットが発注したというティーセット、あまりにもお洒落でかわいくて、彼女は当時、相当のお洒落番長だったろうな、と思いました。時代的にモードの先端というか、もういっそアバンギャルドだったのでは……と思います。あの幅のすごいドレスとかね、どんなにお城の廊下が広くったって、邪魔は邪魔だしね。ファッションで武装していたのかもしれないなあ。
ほんとうに素敵な食器がいっぱいで、眼福でした。
こんな食器でお茶をしてみたい。でも、持っていても傷つけるのを恐れて棚から出さなそう。
たまーのご褒美のときに、良い紅茶を淹れて、恐る恐る飲んだりする自分を想像して、マグカップでいいか……などと考えつつ、静かな松濤美術館をあとにしたのでありました。






















