ゆえです。
ちょっと前のことにはなりますが、お友達とゴッホとゴーギャン展に行きました。
……実は、当初の目的はラスコーの洞窟展だったのですが、ちょいといろいろありまして、上野駅で方向転換したのです。
上野は博物館、美術館の密集地点なので、目的をコロコロ変えられて便利ですね!
さて、ゴッホとゴーギャン、といえばプロヴァンスでの共同生活、そして耳切事件による共同生活の終焉……などが有名かと思いますが、実はこの共同生活期間、2ヶ月程度だったってご存知でした?
……恥ずかしながら、わたくし知りませんでした。
半年くらいは共同生活してたんじゃないかと思っていたのです。
そもそもこの共同生活、ゴッホが「アーティストたちが共同生活をし、日々論議を交わしたりしながら制作に勤しむ」というユートピアを夢見て発案したもので、何人もの画家に手紙を送って、来てくれたのがゴーギャンだった、ということらしいのですよね。
ゴーギャンの返事をもらってからのゴッホのいそいそと用意する様とその浮かれっぷり、未来を知っているとなんだか涙が出そうになります。
ふたりはこの期間、ものすごく制作に励んだらしいのですけれども、意見や議論は大体噛み合わなかった模様。
きっと、性格が全然違ったのでしょう。お互いに凄まじくストレスを溜め込んだことと思われます。
……せめてもう1人くらい参加してくれたりとか、いっそ誰も来なければ、あんな結果にはならなかったんだろうなあ。
そんな暮らしの末にゴッホは耳を切り落として入院し、ゴーギャンはその間にパリに帰り。
そしてその翌年、ゴッホは自ら命を絶つわけです。
そんな感じで破局したふたりですが、友情が全く無くなったというわけではないらしく、ゴッホが亡くなるまで手紙のやり取りをしていたり、ゴッホが亡くなってから10年以上も経ったあと(ゴージャンにとっては晩年ですね)に、ゴーギャンが彼を偲ぶようにタヒチでひまわりの絵を描いたりしているのです。
良くも悪くも忘れがたい思い出の日々だったんだろうなあ。
そのひまわりの絵が、今回の展示で一番の「グッと来た絵」になりました。
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さて、午前中に美術館入りしたために、出てきたらまだかなり時間が残っておりました。
というわけで、少しだけ足を伸ばしてトーハクへ。トーハクは仏教祭りなうで、禅展と平安の秘仏展をやっていました。
これが、想像よりずっと面白かった!
来ていた秘仏は思いの外巨大で見上げれば首が痛くなるほどでしたし、ふんわりと「枯山水」くらいしか知識のない「禅」も、初代である「達磨」様から始まっているので、ものすごい見ごたえでした。(残念ながら、教科書でも有名な国宝の「達磨」の絵は、展示期間外で見られませんでしたが)日本中の禅寺のいわば「禅のスーパースター」を揃えました! という風情。
その性質からかわかりませんが「書」の展示が多く、それもまた面白く。
しれっと「国宝」タグがついているものもいくつか出ていて、雪舟の水墨画もありましたよ。
さてトーハク、年明けからは春日大社展だそうで。
年パス(5000円くらい、って記憶していたけど4100円でした! 特別展3回で元が取れちゃう!)買ったし、去年春日大社には参拝してきたので、ぜひとも行きたいな。