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「糸で描く物語」展

Date : 2024-10-20

タイトルがいいですね。「糸で描く物語」。
どんな展示かといいますと、東欧やイヌイット、そして現代作家の手による、伝統的ながら物語を感じる刺繍を集めた展示です。

以前、関東でやっていたらしいのですが、残念ながら開催中には気がつけず、知ったときには終わってしまっていました。今回(といっても去年ですが)静岡に巡回することを知って、友人を誘って一泊二日で見に行ったのです。

開催地は、静岡県立美術館。ロダンの作品がたくさん収蔵されていることはしっていたのですが、赴いたのは初めてです。この日は前庭ではマルシェが開かれていて、高台にある雰囲気の良い美術館でした。

まず迎えてくれたのは、東欧の伝統刺繍の美しさ!


美しさの中にも愛らしさがあって、華やかでなんとも目を引きます。彩りも鮮やかで、花嫁道具だったものも多いとか。この地域の女性の、大事な手仕事のひとつだったのでしょうね。

日本でこの手の手工芸の刺繍で有名なのは刺し子とかでしょうか。あれは、装飾の意味以上に元は、布が貴重な時代に、生地を補強すること、厚みを増して保温性を高めること、といった意味があったそうなので、これら地域の刺繍にも最初の頃は、そうした意味のあったところはあったんじゃないかなあ、と想像したりしました。

あとは、縁起とか魔除けとか、そうした意味があったりするのも、どこも変わらずあるみたい。

ほかにも、民族衣装を模した可愛らしいお人形が地域別にならべられていたりして、夢中になって見てしまいました。ひとつの国の中にも、地域毎にそれぞれのデザインや特徴があって、見応えたっぷり。すばらしかった。

……地域性がだいぶ違うので、雰囲気はだいぶ変えてしまいましたが、この時見た様々の刺繍は、指輪の11巻に多少なりとも影響を与えたと思います。

東欧の刺繍のエリアが終わるとそこから、イヌイットの人達の刺繍や、刺繍で描かれた絵本やイラストレーション、そしてドレスやDiorのバッグまで。物語性のあるデザインの刺繍による様々な表現が次から次へと現れて、たいへんお腹がいっぱいになりました。(撮影OKだったのが東欧の伝統刺繍のエリアまでだったので、残念ながら写真はありません)想像の1.5倍くらい展示数があった気がする……。

伝統の刺繍から刺繍による絵画、そしてオートクチュールまで。様々な刺繍がたっぷりみられて大変楽しかったです。世界中の他の地域の刺繍も、たくさん見る機会があったら、嬉しいなあ。

……最後に、常設のロダン館の充実っぷりをすこしおすそわけ。

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