こんにちは、こんばんは。茉雪ゆえです。
本日2023年9月30日で、『指輪の選んだ婚約者』の第1巻の発売日から丸7年となりました。
7年、と聞くとなんとなくピンと来ないのですが、小学生が入学して卒業するよりも長い月日なのだと思うと、思いがけず長い時間だなと感じて驚きます。この7年の間に指輪シリーズも遂に10巻に到達し、コミカライズも5巻となりました。
いやはやまさか、ひとつのシリーズで10巻に達することがあろうとは、と日々驚きと感謝を胸に抱いております。それもこれもすべて、のんびり刊行のシリーズにめげることなく、読んでくださっている読者さん達のお陰です。いつもいつも、本当にありがとうございます……。
これからも脳みそをぞうきんの如く振り絞って頑張っていく決意ですので、この先も見守って頂けますと嬉しいです。宜しくお願いいたします!
*
さて、例年指輪シリーズについて、諸々お話させて頂いていますが、今年は何を語りましょうか……と考えて、まだ、先日の「人気キャラクター教えてください投票」の結果について語っていない事に気がつきました。せっかくなのでこの場で、上位のキャラクターについてのちょっとした思いなどを、呟き程度のボリュームで語らせて頂こうかなと思います。
*
さて、第五回の投票結果、トップテンは下記のメンバーでした。
- やっぱり主人公!:アウローラ (21%, 368 Votes)
- そこは溺愛旦那様:フェリクス (20%, 357 Votes)
- 可憐な兄上:ルミノックス・イル・レ=ポルタ (12%, 207 Votes)
- 最早古参:ユール・イル・レ=ルーミス (8%, 134 Votes)
- 最強お姉様:ルナ・マーレ・エル・ラ=ラエトゥス公夫人 (7%, 117 Votes)
- にゃんこ妖精:ステラ (6%, 105 Votes)
- ポルタ家の護衛にして従兄:カイ (6%, 102 Votes)
- 困った上司:ウェルバム王国王太子 テクスタス (5%, 81 Votes)
- 似たもの夫婦:ウェルバム王国王太子妃 リブライエル (4%, 75 Votes)
- お嫁入りにもついてきた侍女:クレア (2%, 32 Votes)
主人公夫妻が圧倒的ですね。これは作者としてはすごく嬉しいです。指輪シリーズの主人公はアウローラ……ではあるのですが、もうひとりの主人公はやはりフェリクスなのです。アウローラだけではこのお話は進まず、フェリクスだけでもまた惑ってしまうので、二人がセットで可愛がって頂けているのはほんとうに嬉しいことです。
3番手以降は、ルミノックスが3位だったり、ステラが食い込んでいたり、常にいるけれど活躍はさほどしてない(ような気がする)クレアがいたりと、作者としては少し意外な気がするランキングなのですが、やっぱり長く出ていると、愛着を感じて頂けるのかな。ステラはひょっとすると「貴重なもふもふ」「こどもかわいい」票かも知れませんね。
※ウェブ版の読者さんへ。
ステラ……書籍版の4巻以降の登場キャラクターです
カイ……書籍版の2巻以降の登場キャラクターです
*
と言うわけで。以下、この10位までのキャラクターについて、それぞれ少しずつお話を。
1位:アウローラ
彼女は、「作中世界における、貴族の令嬢としてはごく普通の女の子」として生まれたキャラクターでした。それは私が、「転生でも悪役令嬢でもない普通に育ちのいいお嬢さんが主人公のご令嬢ものが読みたいな」と思って書き始めたからだったのですが、2巻、3巻……と話が進んでいくうちに、段々と「ちゃんと主人公」するようになってきたかな、とも思います。
書く時はいつも、チートになりすぎないように気をつけているのですが、あれだけの人々を周囲に持ちながら、自分を失わずに自分の立場をまっとうしようと奮闘できるというのはもう、特殊能力と言ってもいいのかも。……彼女の最大の「チート」は例の能力ではなく、その、周りの人をなんだかほっとさせてしまうという、「人たらし」なところかもしれませんね。
2位:フェリクス
彼は、アウローラの対になる存在がいたらどんな人だろう、と考えて生まれた「とびっきりキラキラした外見と、それを全く生かせない内面の持ち主」です。アウローラにチートを極力させない代わりに、ガンガンチートな力を発揮していく、本来なら主人公たり得る存在。それなのになんだかかっこよくなりきれない、不器用で真っ直ぐな性格の男の子。
とはいえ彼も、話が進んでいくにつれ、作者の想像を遙かに上回って情の強さを発揮していった、ある意味で「作者の言うことをちっとも聞いてくれない」キャラクターです。溺愛の予定はあったけど、こんなにとは思ってなかったわ……。彼はきっとこれからも、奥様への愛に振り回される日々を全力疾走するのでしょう。
3位:ルミノックス
アウローラのお兄様。出番の多い人ではないのに、とても愛されているキャラクターだなあと感じています。
彼は、「アウローラが旦那様の美貌によろめかないとしたら何故か? きっと身の回りにすごい美貌の人がいて慣れているのだ」「彼女が嫁に出られるならば、家督を継げる存在がお家にいるはず」「……つまりとても美しい兄弟がいるのでは?」「なんとなくだけど、お兄さんがいそうな気がする」……という考えで生まれたキャラクターです。妖精のように可憐な美しさを持つ、病弱で学者肌のお兄さん。妹と比べて己の身体の弱さにコンプレックスを抱きつつも、妹を可愛がることのできる優しい青年ですね。彼が愛されるのはなんとなく、分かる気がします。
……この人は、ひとりでスピンオフの主人公になれそうだな、と時々思います。安楽椅子探偵のようなタイプのストーリーテラー。学生時代の親友達が事件を持ち込んできたりして。あんまり可憐なので、学生時代は彼を取り巻く愛憎劇があったかもしれません。
4位:ユール
彼はもう、言わずと知れた……という愛されキャラクターでしょうか(笑)フェリクスの因縁のライバルとして、同じような地位や権力、美貌を持ったキャラクターとして生まれたのですが、ただの悪役には絶対にしたくないなという思いがこもりすぎたのか、気がついたらあんなキャラクターになり、いつの間にか「美形なのになんか色物」「ライバルというかツンデレ」としか言い様のないキャラクターになっていました。出て来たときこあんなでしたが、仕事に対しては大変真面目で、能力も高い、負けず嫌いな良いやつです。話が進む中で成長したなあと思えるキャラクターでもあります。
ユールでスピンオフをいつか書くとしたら、彼の敗れた初恋(の続き)だとか、おしゃまな妹ちゃん(9巻登場)に振り回される物語でしょうか。家柄から音楽が得意そうですし、音楽絡みの話もありそう。彼の周囲もアウローラに負けず濃そうなので、きっと色々なお話が眠っているはずです。
5位:ルナ・マーレ
フェリクスを「女性が苦手な男」にしてしまった、ルナ・マーレお姉様。彼女は、あれだけのスペックの男が「女性を苦手」と思うのは間違いなく「身近で」「キャラが濃くて」「逆らえない女性がいる」「つまり……すごい美貌で気の強いお姉様かお母様がいるのでは?!」という発想から生まれました。ただ気が強いだけではなく、芯が強くて竹を割ったような性格で、己の美しさの向上に余念のない美女。しかしそれは、「美しさが力になる」と言うことを知っているからでもあります。ぶれない人なので、書いていて大変楽しいキャラクターです。
……私は彼女の事がかなり好きなので、機会があれば出してしまうのですが、出し過ぎると主人公夫妻の存在感を食ってしまうので、取り扱いの難しいお姉様ですね。
この人も、スピンオフを書くのに事欠かない人生を送っていそうですよね。弟を振り回してアグレッシブに活動していたであろう少女時代、あの旦那様と如何にして出会い恋に落ちたのか……それだけでシリーズが書けてしまいそうです。
6位:ステラ
真っ白な仔猫の妖精ステラ。この子が6位なことに、私はちょっとびっくりしました。
小説版のみのキャラクターのため、ウェブ版のみの読者さんはご存じないかと思うのですが、「ようやく人化できるようになった、もうすぐ精霊になりそうな妖精」というポジションのキャラクターです。
見た目は生後半年くらいの仔猫で、人間に変身すると4~5才くらいの姿でしょうか。可愛いモノを書きたい、という気持ちが半分、人ならざるモノを書きたい、という気持ちが半分で生まれたキャラクターなので、彼女を書く時は「人になりすぎないようにする」というところを気に掛けています。
ちなみに彼女、「猫の姿の時は基本的に猫として扱う」と決めているので、猫の姿をしている時は人語は話さないし、基本的にひなたぼっこか昼寝かパトロールをしています(笑)性質上、フェリクスの故郷とその周辺でしか活動出来ないのですが、今後も彼女が活躍する場面が書けるといいなあ。
7位:カイ
アウローラの母方の従兄であり、故郷では彼女の護衛だった、騎士のお兄さんです。ルミノックスよりも出番のない彼がこの順位にいるのには大変驚きました……。コミカライズパワーかしら。それとも、気さくなお兄さんで苦労性なところが、皆さんのハートをギュッとしたのでしょうか。
かく言う私も彼はお気に入りのキャラクターで、出すとついつい活躍させたくなってしまいます。最近あんまり出番がありませんが、今はおそらく、ルミノックスの護衛として屋敷に詰めたり、ポルタ騎士団の幹部候補として文武に励んだりしていることでしょう。
この人には良く、「かわいいお嫁さんが来てほしい」「彼の恋物語が読んでみたい」というお話を頂くので、そういうスピンオフがいつか書けたらいいなと思います。……騎士の嫁として、とっても逞しいお嫁さんが来そうな気もしますが。
8位:テクスタス
誰? と思われるかもしれませんが、この名前は『王太子殿下』です。ルミノックスの学生時代の先輩で、フェリクスの上司である、ひょうひょうとした食えないトリックスター。主要キャラクターの中では屈指の権力者のはずなのに、あんまりその雰囲気を感じさせないというか、彼の事は「権力者」というよりも「面白お兄さん」という印象の方が強いかもしれません。でも、彼の行動をきっかけに事件に繋がることが多いので、やはり権力者なのでしょう。振り回される周囲の胃は大変そうですが、事件の後始末(法的な決着や金銭的補償)はちゃんとしてくれるので、いい上司だと思いますよ……。
……実は、彼はこの指輪シリーズが生まれる以前に構想を練っていた物語の、ダブル主人公の片割れでした。もう片割れはもちろん……。
9位:リブライエル
こちらはリブラ、『王太子妃殿下』ですね。前述の「ダブル主人公の片割れ」です。指輪を書く以前、彼らを主役にした学園モノ(ルミノックスがたまに話す、学生時代の話ですね)の構想を練っていたのですが、学生時代って長くて短いんですよね……。構想が大河ドラマかという長さになってしまい、執筆を一端断念したのであります。
彼女は学者になりたかった眼鏡の王太子妃、育ちの影響で口調がちょっと男っぽい、特殊な記憶力と魔力の持ち主、となかなか濃いめのキャラクターなのですが、基本的にテクスタスとセットで現れるので、テクスタスと順位が並んでいるのは大変に納得しました。きっと、この夫婦はセットで気に入っている、という方が多いんじゃないかなあ。うれしいです。
10位:クレア
アウローラの専属侍女、クレアさん。この位置にいて一番びっくりしたキャラクターかもしれません。アウローラの故郷からついてきた真面目で有能な侍女さんで、文字に出てこなくても大体、アウローラの側にいます。アウローラにとっては、侍女であり友人であり、という立ち位置でしょうか。王太子の護衛のセンテンスと並んで、「書いてなくても場面にはいる」人。作中で最も「家○婦は見た!」が出来るポジションですね。
彼女について細かく書くことは作中ほとんどありませんが、地元に帰れば名士のお家のお嬢さんで、地域のおひいさまです。ぱっちりお目々の可愛らしい娘さんで、働き者の彼女の事を気にしている青年達がたくさんいるに違いありません。
*
……10人は思ったよりも長かったですね。わたしはキャラクターを作るとき、その生い立ちや家庭環境、現在の状態や趣味なども考えていることが多いのですが、それを語る機会はあんまりないので、こうして書けて楽しかったです。機会があったら、また投票企画などやってみようかな。遊んで頂いて、ほんとにありがとうございました。
さて、ここまで長々とお付き合い、ありがとうございました。
次の1年もまた、どうぞごひいきに!
2 thoughts on “7周年”
こんにちは。
いつも楽しく読ませていただいてます。
投票楽しかったです。
安定の上位でしたね。
フェリクス様のアウローラへの溺愛が大好きなのでこれからも楽しみにしています。
色々なスピンオフも読んでみたいですw
可愛いお子ちゃまが早く登場したらいいなぁとも思ってます。
フェリクス様の更なる溺愛っぷりを読みたいです。
これからもシリーズが続くのを応援しています。
こんにちは! コメントが大変遅くなりましてごめんなさい。
テンプレートが壊れていまして、読めなくなっておりました……。
投票のページ見て頂いてありがとうございます!
上位が安定すぎて、ありがたくもびっくりしています。
スピンオフ、色々書けたらいいな……。楽しみにして頂けたら嬉しいです!
キッズ達は……いずれそのうち……どこかで……?
コメント、ありがとうございました!