こんにちは、こんばんは。茉雪ゆえです。
本日2022年9月30日をもちまして『指輪の選んだ婚約者』の第1巻の発売日から丸6年、つまり、茉雪ゆえの商業デビューから丸6年となりました。ふとこうして振り返ると、6年も書き続けていられていることには驚くばかりです。
この6年で『指輪』はなんと9巻を迎え、コミカライズも4巻(しかも、ありがたいことに、小説の2巻分に突入です)出していただきました。
大変スローペースな物書きですのに、ここまで出させていただけているのは、呆れずに追いかけて下さる読者の方がいてくださるお陰です。
いつも本当に、ありがとうございます。
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さて、例年この「n周年記念」のブログ記事ではこれまでの執筆について振り返っているのですが、毎回ひたすらに皆様に感謝の気持ちを綴って綴って綴るだけの記事になってしまうので(と言っても、感謝の気持ち以上に伝えたいこともないのですが)、たまには『指輪』シリーズについて、振り返ってみようかと思います。
……と言っても、キャラクターに関する話であるとか、作品世界の設定などについては時折Twitterで呟いたりしていて、ここを読んで下さっている方にとっては既出である内容が多くなってしまうかと思います。というわけでここでは主に、この作品とわたしの関わりについて、少しばかり雑談にお付き合いください。
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『指輪』シリーズの最初――書籍で言うと1巻の部分は実は、賞を頂く数年前に仕事が多忙で多忙で心が瀕死になっていたときに、ちょっとした「現実逃避」と「気分転換」を兼ねて書き始めたものでした。すでにあった世界観(実は王太子殿下と妃殿下のお話を先に考えていて、舞台を細かく設定していたので、そこをベースにしました。そういう意味ではこの物語は、「スピンオフ」からのスタートとも言えますね)を元に、なんとなくのプロットを頭の中で考えて、ラストシーン以外はほぼ見切り発車……、という、今思うとかなり無謀なスタートです。
疲れている身体と心を励ます為に書き始めたものですから、「現代日本とはちょっと距離のある、でも自分の好きな舞台設定である19世紀頃のヨーロッパ風の異世界を舞台にしよう。(そうだ、前に考えたあの世界と設定が生かせそうだから使おう!)」「疲れている時にしんどいお話しは読むのも書くのも辛い(※個人の感想です)から、こんな子達が活躍したら見ていて楽しいし、応援したくなるし、ほっこりするな、と思う(※個人の感想です……)キャラクター達を主人公にて、モヤモヤの少ない明るいラブコメを書きたいな」「自分の大好きなキラキラしたものについてたくさん書きたいから、主人公の趣味は刺繍にして、キラキラしたものに囲まれていても不自然でない身分にしよう……!」と、好き勝手しまして、結果、好きなモノがとにかくぎっしりと詰め込まれたストーリーとキャラクターが生まれたわけです。
……そうして、書くわたしに都合のよい、書いて楽しい設定にしたのが良かったのでしょうか。それともわたしと同じように、ちょこっとお疲れの心と身体をふんわりした話で癒したいという方がいらっしゃったのでしょうか。「小説家になろう」に投稿したお話しはそこそこよい評価を頂いて、完結もしていないのに(仕事の山場を超えて心身共に落ち着いた結果、しばらく更新が滞ったのです……)ふとした出来心で付けたタグから賞をいただくという、ありがたい事態となりました。
今でもあれは、とんでもない幸運だったと感じています。当時の関係者のみなさま(今も関係者のみなさまも!)、本当にありがとうございました。
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そんな、勢い任せに書いていた物語が、まさかこれほど続く事になるとは、当時はもちろん思いもしませんでした。2巻のお話しを頂いた時は本当にびっくりして、丸一日呆けたほどです。
「わたしがそんなに書けるのだろうか?!」「でも、書かせて頂けるなら書きたい!」「書くの遅いくせに書けるのか?!」「書くんだよ!!」と震えつつ、「ふたりの結婚までは多分こんなエピソードがあるだろうなあー」「結婚してからはきっとこんな人生を歩むんだろうなあ」とふんわり考えていた、霞か雲かというほどおぼろげなネタを必死でひねり出し、担当さんたちにたくさん相談に乗って頂いてようやくまともな形になり……というステップを繰り返して、気がつけば、現時点で9巻にも及ぶ大長編(?)となりました。
それどころか途中でコミカライズが始まり、更にそのコミカライズは多国籍に出版されているとのこと。(見本誌を頂いたのは英語版だけなのですが、ハングル語版と中国語版(簡体字か繁体字かは確認出来てないです……)も出して頂いているそうです!)びっくりどころの騒ぎではありません。
……もちろん、こうして続きを出させて頂けるのは、わたしと担当さんが頑張っているからという以前に、たくさんの方が読んで下さっていて、しかもこの長丁場に毎回付き合って下さっているから、というのが大大大前提です。これがなくなれば続けたくても続かないはず。「いつもありがとうございます」とわたしは後書きやTwitterでよく書きますけれども、これは本当に、心の底からの呟きです。いつもありがとうございます!
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そんな、どたばたエピソードに彩られた(?)「指輪」シリーズですが、もうちょっと続けさせて頂けそうなので、これからも頑張って楽しいお話しを考えていきたいと思います。9巻でちょっとひと段落したので少し充電期間を頂くかもなのですが、応援して頂けたら嬉しいです。
……次の1年も、どうぞごひいきに!
6 thoughts on “6周年”
貴方の本が大好きです!表現がすごく綺麗で、読むだけで幸せな気持ちになれます。王太子殿下と妃殿下のお話が先だったのは驚きです。アウローラのパパとママの話もとても好きです。これからも無理せず頑張って下さい
こんにちは!コメントありがとうございます。
幸せな気分になっていると言って頂けて、こんなに嬉しいことはないです。
そう、この世界設定は、先に王太子殿下と妃殿下の学生時代の話を考えていて生まれたものでした。
でも指輪シリーズのお陰で、その頃考えたよりももっと広い世界になったなーと感じています。
……スピンオフもいつか書けたらいいな! これからも頑張ります、ありがとうございました!
こんにちは。シリーズが続くとのこと、とても嬉しいです。アウローラに憧れて、刺繍キットを購入してしまいました。
波乱の展開が9巻で落ち着いて安心しましたので、アウローラとフェリクスに甘々な時間が増えるよう祈ってます。
そして、ロザリンドさんの過去がずっと気になっています(笑)
また一巻から読み返しながら、ゆっくり新作を楽しみにしております。
お体に気をつけて、ご活躍をお祈りしております。
こんばんは!メッセージありがとうございます。
刺繍キット購入されたとのこと、嬉しいです……
アウローラにつられて刺繍始めちゃった、と仰っていただけるの、本当に嬉しくて……!
わたしも、この作品を書き始めてから、以前よりいっそう手芸に励むようになりました。……楽しいですよね!
指輪シリーズはこの先も相変わらずのペースだとは思うのですが、許される限りは頑張って参りますので、
のんびりお待ち頂けたらとても嬉しいです。
ありがとうございました!
初めてコメントします。
作品が好きで、小説も全巻、コミックスも全巻揃えてます。
小説の中で、刺繍やドレスの描写では頭の中をキラキラさせて楽しんでいます。
コミックスではせっかくなので刺繍の図案などが細かく描かれるとなお嬉しいです。
いつか同じ図案の刺繍を指したいというファン心理を満たして頂ける日を楽しみにしてます。
こんにちは!
メッセージありがとうございます。
刺繍やドレスの描写は楽しくたくさん盛り込んでいるので、楽しんで頂けていて嬉しいです……!
ただ、残念ながら、コミカライズは小説とは出版社が別でして……、
わたしの方から直接、細かい事をお伝えするようなことはないので、
ご要望やご感想はKADOKAWAさんの編集部へお届けください……!
(わたしからそちらにお伝えすることが出来ないので、ここ止まりになってしまうのです……!)